2015年7月4日土曜日

緑岡の洋館(ミュージアム1999 ロアラブッシュ)

渋谷区渋谷四丁目、青山学院のあるこの地は、港区南青山の一角と思われがちだが、区境を跨いで渋谷区となり、旧町名は緑岡町(みどりがおか)という。青山学院以外の土地は、青学に寄り添う閑静な住宅街となっており、面積は僅かだが、二つのグランメゾンを抱える高級フレンチの密度が高いエリアである。一つはマノワールディノであり、そしてもう一つがその斜向かいにある、このミュージアム1999ロアラブッシュだ。
「ミュージアム1999」って何?と思うが、お店のウェブサイトに書いてあります。へぇ。深いようで深くない話が書いてあります。
さて、レストラン最大の特徴と言ってよい「建物」は、煙草商で財をなした千葉家の子息と鍋島家令嬢の結婚を祝い住居として建築された戦前の洋館で、とにかく重厚で立派。車寄せも設けてあり、贅沢な空間の使い方だ。 マノワールディノの庭の緑と、隣接する高級ヴィンテージマンションのホーマットの雰囲気と相まって、周辺の雰囲気は得難い感じである。

足を踏み入れると、その内装も重厚で、いかにも高級な料理と恭しいサービスが提供されそうな雰囲気。もっとも内装は少しくたびれている感じはするし、そこかしこに飾られたアールデコの巨匠(と、当店ウェブサイトで紹介されている)エルテの作品の趣味はやや悪趣味の部類と判断したが、ここは評価が分かれるところだろう。たしかに引き込まれるけど、よく言えばミステリアスで、ちょっと気味悪い。まあ非日常感はでるね。
お昼のコースは5000円、7000円、12000円の3種類。皿数や内容が違いますが、高い方にするとデザートがワゴンかパティシエが作る一品ものかを選べますよ、という違いも。私はお腹が空いていたので12000円のコースにしました。一番高いコースって食べきれないくらいの量が提供されたりしますが、こちらのお店は、適量で、女性でも完食できた。
ワゴンのデザートは色々でてきて目移りするが、バニラアイスクリームが一番よかったかな。ここで食べられるだけ注文するから、多分みんなここでお腹いっぱいになることだろう。その後に、食後の飲み物とともにマカロンがでてくるのだけど、これもおいしいから、その余裕だけみておくことを忘れないように。
レストランスタッフの接客もそつなくさすが。
ただ、一番の売りはやっぱり建物。建物の重厚さが期待させる程の料理やサービスではないので、正直、建物負け?という感じ。もう一つ、建物以外の感動がほしい。雰囲気重視ならオススメだし、安心して行けるお店ではあるが・・・例えば「王様のレストラン」の松本幸四郎みたいなメートルディがいれば星一つ追加だな。



ミュージアム 1999 ロアラブッシュフレンチ / 表参道駅渋谷駅
昼総合点★★★☆☆ 3.6










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