2015年7月12日日曜日

ミモレットの外皮は食べるのか

ミモレットは、からすみに似ていて日本酒にあうとか、焼酎でもいいとか、アイラのウイスキーにもあうとか、ワイン以外にも幅広くあうという人が多い。私も純米酒のつまみにするのが好きだし、懐の深い食べ物だ。小泉元首相の好物で、森元首相に振る舞ったら「干からびたチーズを出された」と語ったというおまけつきで、話のネタにもなるので、話題がなくなりがちな初デートにも向いている。何かと使い勝手がよい。

ただし、幅広い酒と合わせられるのは長期熟成のものだけじゃないかとも思う。ここで言う長期熟成とはデパートや明治屋の棚にある中で最も熟成が長い18か月~24か月熟成のこと。熟成期間が短いと食べごたえもない。ボジョレーヌーボーみたいなワインとか発泡酒とか、缶チューハイとかならよいかもしれないが。いずれにしても、わざわざお金をだして食べる必要はない。それに長期熟成は味が詰まっているので、限りなく薄く切ってもおいしいから、チビチビ食べられる。だから結果的にコストパフォーマンスがよい。

さて、ミモレットを食べる上で最大の問題は、外皮をどうするか、である。外皮とは、凸凹して固くなっている、表面の、あの部分のこと。チーズダニの活動の結果。微生物は偉大だ。

一般に、外皮は美味しくないという理由で食べない。レストランで、ミモレットが提供される場合、外側の固い部分は取り除かれて提供される。新宿伊勢丹地下一階のチーズ売り場ではご丁寧に「外皮は食べないでください。」という表示まである。外側はチーズダニが生きているままの場合も多く、ダニを口に入れるという行為がいやだという人もいるだろう。アメリカでは、チーズダニのせいで、一時輸入制限がとられたこともあるほど。ライフハッカーの記事

ダニまみれの外皮だが、思い切って食べてみると、独特の味がして、これはこれで珍味。中のオレンジ色の部分に比べると、あっさりしていながら、独立した別の味もある。食感も、オレンジ色の部分と外皮の硬い部分が混ざって、複雑な感じ。

健康については問題はない。というか、食べて害があると言い切れるほどのものはない。そもそも長期熟成のミモレットなんて体によい食べ物ではないのだから、多少のダニが口にはいるくらい、たいした話ではない。

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