さて、日比谷公園の中という特殊な立地である日比谷松本楼。霞が関、内幸町、日比谷、皇居に囲まれた都心中の都心。豊富な緑に囲まれ、さらに一階はテラス席まであり、この上ない立地。こんなに場所に恵まれたレストランが他にあるだろうか。
この松本楼、1階はグリル、3階はフレンチになっている。
今回は1階のグリルを訪問。このグリル、内装もサービスも老舗感が全く感じられない、高級なファミレスと言ったレベル。まあ平日の昼、客単価2000円以下、ということを考えればサービスがこの程度というのも仕方ないか、とは思う。思うが、それはこれが普通の立地なら、である。
ここは誰でも出店できる場所ではない。我が国でも有数の、極めて得難い環境にあるのだ。いわば限りある資源なのである。そこに平凡なものを作るとは、我が国にとって環境資源のムダ使い、国家の損失といって過言ではない。グローバルダイニングでも寺田倉庫でもバルニバービでも、もう少し真面目にこの立地を生かそうという会社に場所を譲った方がよい。これじゃユニマットの方がまだマシというレベルだよ。
これだけの立地。そして有名だ。なので客は来る。が、本当にそれでいいのか。店が時代に必要とされるだけの再投資をしているのか?権利関係がどうなっているか知らないが、既得権益にあぐらをかいていないか?残念だが、そんな感想だ。
料理は頑張っているが、受ける印象はファミレスに毛の生えた感じ。注文はシーフードカレーだったが、極めて普通。
コストパフォーマンスは悪くないが、この場所でそんな商売でいいの?と本当に疑問。東京トップクラスのパークビューがもったいない。