2017年6月11日日曜日

アルファロメオ4Cスパイダー 半年乗ったまとめレビュー

アルファロメオ4Cスパイダーを買ってから半年、サーキットとジムカーナも走り、暑い時期、寒い時期も経験した。
一方で、社外の車高調を入れ、吸気系のチューンも始めてしまった。
「素」の状態を忘れていない今のうちに、ノーマルの4Cスパイダーをレビューしておく。




■個性的な寸法
全長はマツダロードスターとたった75ミリしか変わらない3,990mm、これに対し全幅はレクサスLSとほぼ同じ1,870mm(ちなみにマツダロードスターの全幅は1735mm)。
そして車検通過ギリギリの最低地上高である。
市販車としては極端に平べったく、まるでエイのようである。
ちなみに、全長が短いのはいいが、LS並みの幅で、車高が低いと入れる駐車場が限られてくる。機械式はムリなことが多い。
スロープも苦手。ノーマルならば、伊勢丹本館の駐車場は大丈夫だったが、今は車高調を入れたのでムリっぽい。
それと、機種によるかもしれないが、ガソリンスタンドの洗車機もダメ。もちろん手洗いでお願いしているが、初めに洗車機で水をかけるでしょ。その時にフロントタイヤを台に載せるんだけど、それがノーマルでもできない。



■カーボンモノコック
この車の最大の売りがカーボンモノコック。これが生み出す比類なき剛性感がすごい。
あと見た目ね。むき出しのカーボンファイバーがやる気にさせてくれる。
私は素人だから、これがどれほどすごいかわからないのだが、レーシングマシンと同じ方式のカーボンモノコックを1000万円以下の車に導入できたことは、すごいことなのだという。



■豊富すぎるステアリングインフォメーション
ステアリングインフォメーションの多さもすごい。パワステレスがそうさせるのか、これはこれまで私が乗ったどの車よりも図抜けて多い。高速道路や峠のような場所だと、ちょっとした轍を巨大な路面のウネリのように感じることになる。
とにかく緊張したハンドリングを体験できます。



■排気音が野性的
屋内駐車場でエンジンをかけると、びっくりするほどデカい排気音が鳴り響く(オプションのスポーツエグゾースト)。こんなんで車検通るのかと不安になるレベル。
近所迷惑必至である。私は近所の人に直接怒られた(スイマセン)。
音質は、全長が短いせいか、ターボのせいか、高音を出すのは苦手のようで、粗野で太くて豪快な音だ。エンジンを回してもブロロロロ・・・といった具合で一昔前のアメ車かよ、という音である。
F1とかスーパーカーみたいなサウンドにはならない。

■優しい過給機
エンジンは過給機付。私はずっとNAを乗り継いできたせいで、ターボ車というと怖いというイメージだったが、この車のターボは現代的で、思っていたよりもスムースに加速していく。(最近のターボってどれもこんなスマートなんですかね?)

■目立つ
とにかく派手。
スパイダーだとなおさら。
よく、道行く人から勝手にスマホで撮られる。
1000万円以下の車で、これほど勝手に写真や動画を撮られることはないのではないか?と思う。僕の知らないどこかで動画がアップされているのかもしれない。


■スパイダーの解放感
これまでの感想はほとんどクーペでも共通する内容なので、スパイダーならではの感想を書く。
スパイダーだと、背後からコクピットにエンジン音と排気音が飛び込んできて、雰囲気満点。
そして何より解放感がある。背中方向には壁があるからオープン感は限定的なのだが、この車のポテンシャルを引き出した走りをすれば、この程度の屋根の空き具合で十分であり、これ以上のオープン感は不要だと、すぐ分かる。

■総評:楽しい
軽くて(日本仕様のスパイダーはカタログスペックで僅かに1tを切らなかったが)、平べったく、独特の剛性感があり、大量のステアリングインフォメーションが伝わるといった特徴がもたらすのが、クイックで、爽快で、そして少し不安になるダイレクト感満点の操舵感と、気持ちの良いブレーキングである。

快適性はそもそも作る側は考えていないし、買う側は考えてはいけない。
とは言ってもエアコンは効くし、壊れない。壊れないというのは重要である。半年間6000キロで入院が必要なトラブルはなかった。
現代の車としての最低限のことはできている。
最低限のことができている車の中では、最も運転が楽しい車ではないだろうか。

以上、半年で感じたことをざっと書いてみた。
旅行に行こうとか、デートしようとか、逆にC1や湾岸でブッチぎろうとか、そういったことを考えなければ、よい買い物になると思う。

アルファロメオ4Cスパイダーに関する他の記事はこちら →その他の記事のリンク

<2018年6月追記>
さらに1.5年後に再レビュー記事を書きました→リンク:その後のレビュー記事

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