2018年12月4日火曜日

青山の焼鳥「今井」

外苑前、キラー通りから路地に入った静かな一帯に佇む焼鳥店、今井。
スマホがない時代だとたどりつくのに苦戦しそうな、いかにも美味しいお店がありそうな立地で、期待が高まります。

ちなみにダイヤモンドダイニングの今井屋とは名前が似ているが、何の関係もない模様。

内装は焼鳥店としては珍しいモダン系。照明はやや暗めだが、装飾を省いたシンプルなデザインが、清潔感ある雰囲気をうまくつくりだせている。
席は全席カウンター。西麻布の鳥よしもそうだけど、全席カウンターだと4名以上の客をバッサリ切ることになるわけですが、騒ぐ客が来るリスクは減るし、その決断は潔くて尊敬します。
そしてもっとも特徴的なのは、どの席からも焼いている姿が見える、劇場型のオープンキッチン。テキパキ仕事をする姿を見ていれば、料理を待つ時間も飽きないでいられる。


店内にはなにやら小さい音で音楽が流れている。
ジャズか?と思って耳を澄ましてみたらクラシックだった。
この雰囲気ならジャズの方が似合うと思うが、そもそも店内のデザインはミニマム系なんだから、音楽も断捨理しればいいのに。
音量が極小すぎて、流す意味が分からない。

店内のオペレーションが特徴的で、すべてのサービスをカウンター内から行う。
ホール係というスタッフは存在しない。厨房とサービススタッフの垣根がないんですね。
それゆえ、席について一見すると、客席数に対しスタッフ数が多いと感じたが、おそらくそれは、全員が厨房とホールを兼ねているからだろう。
焼き場まわりの人たちもある程度客席をウォッチしているが、グラスが空いたらすぐに次を奨める系ではなく、距離を置く接客スタイル(客が少なければ、べったり接客するかもしれませんが)。
説教くさい料理に対する説明もない。

予約する場合はコースが基本となるようだが、当日の訪問ならばアラカルトでもよい様子。私はアラカルトが好きなので、予約せずに訪問。
土曜夜だったが、ほぼ満席だった。
野球とかのイベントがなければ、ほとんど人通りのないこのエリアでもしっかり席を埋めるということは実力ある店ということだ。
客層は、キレイ目系ファッションな方々が中心。(平日ならばスーツ率が高まると思うが)
女性は30歳代、男は30~50歳。
聞き耳を立てたわけじゃないが、聞こえてきた話から、右隣も左隣も塾員だということが食事途中で判明。連れも塾員なので(そして私も塾員です)、塾員が横に6名並ぶという小さな奇跡が起こりました。そんな客層(どんなだ?)です。

さて、食事のメニュー構成は焼き物と、一品が数種、それに炭水化物。
酒は、日本酒の書類が純米を中心としてかなり豊富。うれしいことに90mlから提供してくれる。

ワインにも力が入っていて、グラスでも白3種、赤5種を用意。
ただし、焼酎は品ぞろえが少ない。
純米酒かワインを頼むのが、このお店でのスマートな振る舞いということだろう。

焼き物がくるまでの間のために、小カブの漬物を注文。
結構深くつかっていて、日本酒との相性がよい。

焼き物は、味は全体的に上品で、脂っこさがほどよく少ない。
好きなものだけを注文したが、特に美味しかったのは、ハツとレンコン。

シメとして「焼鳥土鍋まぶしごはん」が気になっていたが、
気が付いたら満腹になってしまったので今回はあきらめた。
再訪する価値ある店と感じたので、次は土鍋ごはんを試したい。

会計は2人で13000円。焼鳥だということはあるが頻繁に通うことが可能な価格設定だ。
家が近い人は常連化するでしょうね。ただし、席がとれればですが。


焼鳥今井焼き鳥 / 外苑前駅表参道駅国立競技場駅
夜総合点★★★☆☆ 3.7

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